Hgarden – 53121_11120022_14

天園 – 53121_11120022_14

H440×W250×D110mm

Hgarden – 41212_1024503_5

天園 – 41212_1024503_5

H290×W150×D110mm

Hgarden – 11311_6122003_3

天園 – 11311_6122003_3

H290×W150×D110mm

Hgarden – 13022_721802_0&1

天園 – 13022_721802_0&1

H470×W250×D130mm

Hgarden – 31123_426012_7&9

天園 – 31123_426012_7&9

H470×W250×D130mm

Hgarden – 76012_2037001_1&3

天園 – 76012_2037001_1&3

H490×W150×D100mm

Hgarden – 32112_8230127_10&14

天園 – 32112_8230127_10&14

H490×W150×D100mm

Hgarden – 72104_5510261_3

天園 – 72104_5510261_3

H380×W130×D130mm

Hgarden – 31202_1290220_4

天園 – 31202_1290220_4

H380×W130×D130mm

Hgarden – 12231_3020114_2

天園 – 12231_3020114_2

H270×W100×D100mm

Hgarden – 43122_9220221_13&15

天園 – 43122_9220221_13&15

H240×W120×D120mm

Hgarden – 32022_30312122_16&16

天園 – 32022_30312122_16&16

H320×W100×D100mm

Hgarden – 72211_5202161_2

天園 – 72211_5202161_2

H300×W90×D90mm

Hgarden – 64201_3712101_8

天園 – 64201_3712101_8

H340×W90×D90mm

Hgarden – 93221_4071302_14

天園 – 93221_4071302_14

H440×W90×D90mm

Hgarden – 41010_1042132_6

天園 – 41010_1042132_6

H320×W90×D90mm

Hgarden – 81282_7037102_4

天園 – 81282_7037102_4

H340×W90×D90mm

Hgarden – 72131_600942_9

天園 – 72131_600942_9

H250×W50×D50mm

Hgarden – 62763_6020281_0

天園 – 62763_6020281_0

H260×W50×D50mm

Hgarden – 77222_1203210_12

天園 – 77222_1203210_12

H250×W70×D55mm

Hgarden – 80012_5959217_11

天園 – 80012_5959217_11

H280×W70×D55mm

Hgarden – 20310_3273102_2

天園 – 20310_3273102_2

H270×W85×D85mm

Hgarden – 43203_1210210_11

天園 – 43203_1210210_11

H250×W85×D85mm

Hgarden – 94350_4221062_0

天園 – 94350_4221062_0

H300×W50×D50mm

Hgarden – 40911_27201251_6

天園 – 40911_27201251_6

H350×W50×D50mm

Hgarden – 16113_9192014_3

天園 – 16113_9192014_3

H250×W80×D50mm

Hgarden – 31120_8812802_13

天園 – 31120_8812802_13

H300×W80×D60mm

Hgarden – 51141_1702626_s19

天園 – 51141_1702626_s19

H350×W50×D50mm

Hgarden – 34110_81012108_3

天園 – 34110_81012108_3

H360×W110×D110mm

Hgarden – 40_171220_10

天園 – 40_171220_10

H400×W120×D120mm

H.Garden

“Ten’en” is a work that documents the central figure of a family.

The word “en” (園) carries meanings such as “a place where people gather and enjoy themselves” or “a garden of pleasure.”

Materials sourced from Japanese home improvement stores were assembled using only adhesive. Each title was turned into an anagram and also recorded on Google Maps.
However, in domestic open-call exhibitions, there tends to be a preference for craft-based works, and assemblage pieces are often considered lacking in artistic value, and thus frequently excluded from recognition.
This seemed to reflect the appearance-focused values (lookism) that still dominate contemporary society.

Ultimately, this work is an attempt to preserve the ephemerality of events in memory.

天園

「天園(てんえん)」は、家族の中心的な存在を記録した作品である

園には「人が集まり楽しむ場所」や「遊楽の庭」といった意味が込められている

日本のホームセンターで入手した素材を、接着のみで組み合わせ、各タイトルをアナグラムにし、Google Mapにも記録した。ただ国内の公募展においては、工芸作品を高く評価する傾向があり、アッサンブラージュ作品は芸術性が低いと見なされ、評価の対象とならないことが多かった。それは、ルッキズムの色濃い現代を象徴するようにも感じた

すべては、出来事の一過性を記憶にする試みである

Category: Sculpture, Photography
Medium: Mixed Media
Dimensions listed individually
Photo Dimensions: H420×W594×D30mm
Photography: Yudai Nakaya
Collection: Private Collection
Year: 2024

作品解説 & インタビュー

天園へと旅立った——33の若き命

中谷による作品「天園」は、家族の中心にいるはずの存在を、独自の方法で視覚化したシリーズである。すべての作品は、日本のホームセンターで手に入る素材のみを使用し、「接着」だけで構成されている。素材を傷つけながら制作するのではなく、そのままの姿を、丁寧につなぎとめていく。そこには、作家の揺るぎない意志が感じられる

きっかけは、未成年が巻き込まれる痛ましい事件だった。親族との関係性、社会との接続のなかで命を絶たれた子供たち。ニュースを通じてそうした出来事に触れたとき「見ていられなかった」と作家は語った。その言葉の奥には、18歳のときに親友を亡くし、自らの存在を否定し、喪失を経験した過去がある

「誰だろうと、同じような思いはしてほしくなかった。いまできること、自分にしかできないこと、美術でしかできないことを、それからずっと探した」

「天園」では、事件のあった市町村コード、命日、年齢といった個別のデータが、アナグラムというかたちで作品タイトルに組み込まれている。詳細なリストも存在しているが、今のところ公開する気はないという。公開によって傷が広がるのは避け、とにかく記憶に残る制作を続けていった

ホームセンターという場所に込めた意味もまた象徴的だ。「家の中心が“子ども”であるべき」という逆説的な定義が、その選択の背景にある。ただ日本国内ではこうしたテーマを美術作品として取り上げること自体が稀であり、公募展では評価対象にもならなかったという。実際、本作も10件以上の国内公募に提出されたが、2024年は美術的な評価は一件も得られなかった

「工芸や技巧が重視される中で、コンセプトを重視したアッサンブラージュ作品は評価されにくい。けれど、それこそが今の日本のルッキズムを反映しているようにも思えて、それはそれでよかった。なら、自分がもっと有名になればいいだけだと思った」

また、33体という作品数は、ダンテ「神曲」天国篇の33歌を意識したものであった。生を失った者たちが、天の園で安らかに過ごしてほしい。そんな願いが、作品にさらに刻まれていく

Google Mapに記録しているのも、出来事が「忘れられていく」ことへの抵抗なのだろう。「音楽や映画のような流動的な芸術ではなく、固定されたかたちで残り、多くの人の目に触れることも大切だと思った。それは、事件を忘れず、繰り返さないために必要なことだと感じた」と語る

「天園」は、決して声高には語られない。けれど、忘れかけた存在はいま、しっかりと私たちの心に留まりはじめている。その願いや祈りは、もう二度と剥がれることはないだろう

そして本作は、本人の意思とは無関係に押し付けられる死生観に対し、問いを刻む試みである。それは哲学的思索でも何でもなく、現代社会がもたらす“悲劇”であり、現実そのものである

Art Commentator: Y. Kato